★ 御詠歌をしずかに味わい、心に刻む。
★ 観音巡礼の道を想いながら、文字をなぞって書き写す、あたらしい札所巡りの旅へ。
★ 筆書きによるお手本のほか、御詠歌の意味、各霊場の由来など解説も充実しています。
◆◇◆ 監修者からのコメント ◆◇◆
心を澄ませてなぞり書きすれば、観音菩薩が身近に感じられる。
青空にぽっかり浮かんだ白い雲に導かれ、日常生活を忘れ、無欲の境地で霊場を訪ねて回りたい…。
ふいにそんな思いに駆られることがあるだろう。
札所巡礼が今人気だ。
リタイヤした団塊世代とともに、若い人の増加がこのブームを後押ししている。
人生のリセット、自分探しや癒しを求めた旅、一時避難など理由は様々だ。
巡礼者の増加には、生きにくさを増した現代社会が背景にあるように思える。
とはいえ、実際に札所に足を運ぶのは大変だ。
費用はかかるし、ある程度まとまった時間も必要になってくる。
そんな方におすすめしたいのが、御詠歌のなぞり書きである。
なぞり書きをしているとささくれだったキモチの角が取れ、心が落ち着いてくる。
そして、何か大きなものに抱かれているような安心感も湧いてくるだろう。
仏に祈ったり、座禅を組んだりする行為に似ていると語る人もいるくらいだ。
書きながら自分なりの歌の解釈を見つけるのもいいだろう。
歌の内容がわかると、その札所の魅力も倍加する。
意味を理解してから参拝すれば、より深い感動が得られるはずだ。
毛筆での模範例を書道家の樋口英岱先生に示してもらった。
これを参考に筆書きにも挑戦していただきたい。
◆◇◆ 主な目次 ◆◇◆
☆第1章 西国三十三所の基礎知識
* 西国三十三所とは
* 観音菩薩とは?
* 参拝の手順とは?
・・・など。
☆第2章 鉛筆でなぞり書きしてみよう
* 那智山 青岸渡寺
* 豊山 長谷寺
* 紫雲山 頂法寺 六角堂
・・・など全三十三札所。
*コラム コレクターも登場する空前のブーム 今や御朱印そのものが信仰の対象に
☆第3章 書道に挑戦してみよう
*コラム 絵画的な「和モダン」がテーマ 書道家 樋口英岱氏
八木透
佛教大学歴史学部教授。
文学博士。
専門は民俗学。
同志社大学文学部卒。
佛教大学大学院博士後期課程単位修得満期退学。
日本民俗学会元理事、京都府・京都市文化財保護審議委員、祇園祭綾傘鉾保存会理事、ほか多数歴任。