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森村誠一作品協力 中村廣幸監修


  • 定価:1,705円
  • 仕様:A5判112頁
  • 発行年月日:2021年11月5日
電子書籍

内容

表現力を磨く よくわかる「写真俳句」 上達のポイント

 

★ 俳句と写真の相乗効果で、
より強く感性をゆさぶる写真俳句。
心に訴えかける俳句と写真の
「化学変化」の起こし方を、
作句や撮影のヒントとともに
丁寧に解説します。

 

◆◇◆ 写真俳句による人生の記録 ◆◇◆

記録手段には、まず絵や彫刻があり、
言葉が生まれ、言葉から文字を派生して、
カメラやテープの発明により映像と音のコピーが可能になった。
文字や絵は記録者の主観によってデフォルメされるが、
映像や音はオリジナルを、おおむね忠実にコピーする。

 

人間はさまざまな表現手段によって過去を記録し、
未来の設計図を描く。

 

俳句は表現手段の一つであるが、
ディテールを尽くした過去の記録や未来の設計とは言い難い。
俳句は凝縮の芸術であり、
歴史の年表や、各種白書や、
リポートや、予定表や、設計図には向かない。
知識や情報の集積ではなく、
情緒の凝集といってもよい。

 

俳人にとって俳句に勝る人生の記録はない。
俳句に限らず、作者にとっては
作品がその人生の軌跡であり、記録である。

 

写真俳句によって撮影月日を写し込めるようになり、
俳句の成立月日が近似値的に記録できるようになった。
作句したときの作者の句境や環境がビジユアルに表現され、
読者によりビビットに迫ってくる。

 

俳句が一句ということはない。
一句つくれば数句が出てくる。
自分の人生の記録のためであれば、
凡句であっても一向にかまわない。
本来、俳句とは日常から発した芸術である。
むしろ日常の芸術的凝集こそ、
俳句の生命であろう。

 

自分の人生を情緒的に凝縮しようとするところから、
俳句による人生の集約が始まる。

 

十七文字による人生の情緒的集大成、
生涯の一句、これが俳句の世界であり、
一茶風に言うならば、
「これがまあ終の一句か花の夢」である。
花はそれぞれの人生に照らし合わせて、
虹や雲や旅や蟻や、
その他季語に置き換えてもよい。
無季語でもよい。
人生の軌跡そのものが季語になっている。

 

写真俳句は日常から始まる。

森村 誠一

 

◆◇◆ 主な目次 ◆◇◆

☆第一章 写真俳句の魅力
* 新しい表現の発見
「ようこそ写真俳句の世界へ
* 写真俳句の制作過程
〝俳写一体〟となって創造する
・・・など

 

☆第二章 写真俳句のつくり方
* 写真俳句と俳句の違い
五七五に写真の要素を加える
* 写真俳句のつくり方
写真を先に撮って句をつける
・・・など

 

☆第三章 写真俳句の作句
* 俳句の成り立ち
子規が名付けた「俳句」の成り立ち
* 俳句のルール
五字と七字のリズムで句をつくる
・・・など

 

☆第四章 写真俳句の撮り方
* 写真の撮り方
まずは写真を撮ってみよう
* 写真俳句の素材探し
素材は身近なところにある
・・・など

 

☆第五章 写真俳句のたのしみ方
* 作句の発表
作品を発表する機会を知る
* SNSの活用
SNSを利用して作品を発表する
・・・など