以下、新聞記事より。
多角的視点から備え
震災時に東京・横浜から歩いて帰るための本首都圏における災害は、今までにない大規模な被害が予測され、650万人にも及ぶ帰宅困難者が発生してしまうと想定されている。
本書は、横須賀災害ボランティアネットワークに所属しているメンバーや、災害ボランティアとして活動してきたメンバーが、企画段階から参加し、また、帰宅困難者の問題にずっと取り組んできたNPO法人神奈川県歩け歩け協会のアドバイスも受け、単なる地図の紹介だけではないのが特徴である。
構成は4章からなり、1章「サバイバル」で発災直後の初期動作や職場、自宅、出先にいるときなどの心構えを、2章「防災」で災害に対する取り組みを、3章「サバイバルウォーク」で帰宅困難者になってしまったときの行動と地図をわかりやすく扱い、4章「お役立ちデータ」では災害時の医療拠点病院などを紹介している。いつ起こるか分からない災害に対して、さまざまな視点から備えることの大切さを訴えている。
災害を特別な問題として考えず、日常生活の延長線上としてとらえ、家族でよく話し合っておくことも大切だと切実に感じさせられた。
【メイツ出版 777円】(かながわ県民活動サポートセンターアドバイザー・植山 利昭)平成18年2月12日 神奈川新聞
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