★ 暮らしに寄り添った情景と彩りを。
★ 春夏秋冬の個性を映し出した
スタイルを参考に、
発想や表現のアドバイス、
お手入れのコツを紹介します。
◆◇◆ 景色盆栽とは… ◆◇◆
景色盆栽とは、鉢の中に、
自然の景色を切り取って表現するものです。
そこに、山や丘、渓流、湖畔、
海辺などの美しい景色を描くことができます。
「小さな大自然」こそが、
景色盆栽の醍醐味といえるでしょう。
自らの手でつくり育て、身近に置くことで、
自然に触れるような心地よさを感じさせてくれます。
ぜひ、自分の故郷や憧れの風景なども表現して、
楽しみを広げてみてください。
また、可愛らしさや凛とした格好よさを
備えた景色盆栽は、気軽にインテリアに
取り入れることができます。鉢や敷物、
置き台などのしつらえを工夫すると趣が変わり、
和洋を問わず用いることができます。
ライフスタイルに合わせて、楽しんでみましょう。
◆◇◆ 著者からのコメント ◆◇◆
慌ただしい現代では、季節の変化を
味わう機会が少ないのではないでしょうか。
木や草花、土に触れることはおろか、
周囲の景色を眺めたり、足元の植物に
目をとめたりすることもないかも知れません。
そんな日常の中で、家にいながらに
季節を感じさせてくれるのが景色盆栽です。
景色盆栽は、小さな鉢の中でさまざまな自然の
景色が広がる、いわば「小さな大自然」。
四季折々にいろいろな表情を見せてくれ、
私たちの心を癒し、励ましてくれます。
暮らしの中に景色盆栽を取り入れて、
心豊かに過ごしてみませんか。
一年を通して景色盆栽を楽しんでほしいと思い、
本書では、季節ごとに、
たくさんの植物を紹介しています。
こんな植物も盆栽に使えるのか、今度はこれを
育ててみようかなと思いながらページをめくり、
創作のヒントにしていただけたら幸いです。
景色盆栽作家 品品主宰 小林 健二
◆◇◆ 主な目次 ◆◇◆
☆ 第1章
景色盆栽のための盆栽知識のおさらい
初めて盆栽をつくるにあたっては、
そろえておきたい道具や知っておきたい知識があります。
実際の植えつけやメンテナンスのために、
必要になるからです。
細かなルールに縛られる必要はありませんが、
まずは、この章を読んで、
盆栽の世界に足を踏み入れてみましょう。
どんな景色盆栽をつくりたいかイメージしてみてください。
* 盆栽の基本用語
* 盆栽の見方
* 盆栽の種類
・・・など全10項目
☆ 第2章
春の景色盆栽
春は芽吹きの季節。芽吹きの姿はさまざまですが、
どの植物もが美しく、力強い生命力にあふれています。
そして、春は植物にとって大事な生長の時期でもあります。
日ごとの変化を見守り、楽しみながら、
大切にお世話してみましょう。
花や実、紅葉など、これから見せてくれる
いくつもの表情を思い描いて過ごす時間もまた、
盆栽の醍醐味です。
* 旭山桜/アサヒヤマザクラ
* 林宝桜/リンポウザクラ
* 花海棠/ハナカイドウ
・・・など全18項目
◎コラム 盆栽をインテリアとして
☆ 第3章
夏の景色盆栽
夏の暑さは、人間と同じように多くの
植物にとって辛いものです。
そのなかにあっても、鮮やかに葉を茂らせる
木々には、励まされるような気持ちになります。
そして、さりげない野山の景色にさえ、
うれしい発見があったりします。
そんな自然の姿を小さな鉢の中に表現した
景色盆栽は、暑苦しい夏の日々に爽やかな風を
招き入れてくれます。
* 小羽団扇楓/コハウチワカエデ
* 楡欅/ニレケヤキ
* 柏/カシワ
・・・など全17項目
☆ 第4章
秋の景色盆栽
秋には、さまざまな木の葉が色づいてきます。
その色彩は、植物ごとに、さらには一本一本が
異なり、日ごとに変化します。
景色盆栽に仕立てて、
暮らしの中で紅葉を楽しんでみてはいかがでしょう。
一方で、寂しげな季節には、
生き生きした緑の葉を茂らせる木に、
元気をもらえることもあります。
秋、思い思いに植物の魅力を感じてください。
* 小楢/コナラ
* 木賊(砥草)/トクサ
* 山査子/サンザシ
・・・など全16項目
◎コラム 盆栽の奥深さに触れる
☆ 第5章
冬の景色盆栽
冬は植物の色が乏しい季節と思われがちですが、
厳しい寒さのなかでも緑の葉を茂らせている
植物がありますし、実が色づき、
輝きを増してくるものもあります。
また、眠っていた枝に花芽をつけ、
いち早く開花させて、
近づく春を伝える植物もあります。
寂しい季節をさまざまな姿で彩ってくれる盆栽を、
身近に置いて楽しんでみてください。
* 檜/ ヒノキ
* 白梅 冬至/ ハクバイ トウジ
* 五葉松/ ゴヨウマツ
・・・など全20項目
◎コラム 石つき盆栽
☆ 第6章
景色盆栽を魅力的につくるコツ
盆栽づくりの第一歩は、
植物をじっくり観察することです。
樹形の面白さや、魅力的に見える
アングルなどをとらえて、どのような景色盆栽に
仕立てたいか考えていきましょう。
土に触ったり、植えつける苗を準備したりする間に、
どんどん想像力が高まってきます。
あまり慎重になりすぎず、
楽しい気分で植物と向き合ってみてください。
* 材料
* 鉢の準備
* 土の準備
・・・など全5項目
☆ 第7章
盆栽のメンテナンス
盆栽を長く楽しむためには、
日頃のメンテナンスが大切です。
四季折々、季節に合った管理が必要になり、
植物の種類によって異なる点もあります。
ただ、水やりや病害虫の予防などは、
植物の性質を見極めながら日常のルーティンに
していくとよいでしょう。
盆栽は、手間暇かけて育てるのが基本です。
そのプロセスも楽しんでください。
* 置き場
* 水やり
* 施肥(せひ)
・・・など全5項目