★ 上手に楽しく読めると
もっと伝わる、もっと響く。
★ 魅力的な朗読のためのヒントが満載。
★ 練習法や工夫するポイントが
CDを聴きながら、わかりやすく学べる一冊です。
◆◇◆ 本書について ◆◇◆
本書の掲載作品は、
まずは「黙読」してから「音読」してください。
「黙読→音読」の流れが大切です。
その際、あくまでも本書に掲載された文章は
作品の一部(抜粋)ですので、
できればその作品全体を黙読していただけると良いです。
ただし、そこまでできない場合は、
その作品の全体のあらすじだけでも
おさえておいていただきたいです。
次に、朗読する上でどのように表現するか、
表現方法を決めることが大切です。
さまざまなことを考え、
どうしても迷う場合は2通り、
3通りの表現方法を考えてみましょう。
幾つかの作品に朗読記号を付けましたが、
これは一つの例だと思って下さい。
そして、何度か練習し、
そのために録音することをおすすめします。
なお、本書付属のCDを聴く際に
心していただきたい点としては、
言うまでもなく「朗読」は芸術ですので、
これといった正解はないといいうことです。
もちろん、作品や読み方の好みもあります。
したがって、気に入ったところを取り入れていただければ、
こんなに嬉しいことはありません。
◆◇◆ 主な目次 ◆◇◆
☆ Lesson1
トレーニングの前にウォーミングアップをしましょう
* 【宮沢賢治のオノマトペ】で言葉のリズムを楽しもう!
* 【夏目漱石の名言】で朗読気分をアップしよう!
・・・など
☆ Lesson2
音の上げ下げ(イントネーション)をトレーニングしましょう
* 文章は基本的に、上から落ちる様に読む
・ 北大路魯山人「河豚のこと〜河豚のうまさ」
* 基本的には高低差をつけてメリハリを出すが、
あえて高低差をつけずに印象的に読むこともある
・ 太宰治『人間失格』
* 出だしの高さを工夫する
・ 新美南吉『ごん狐』
・・・など
☆ Lesson3
緩急・間のトレーニングをしましょう
* 聴き手を惹きつけるために「緩急」をつける
・ 新美南吉『ごん狐』
* 内容を理解してもらうために「間」を工夫する
・ 宮沢賢治『セロ弾きのゴーシュ』
* 時間の経過や場面が変わったことを「間」で表現する
・ 太宰治『富嶽百景』
・・・など
☆ Lesson4
大切な言葉を意識して読むトレーニングをしましょう
* プロミネンス(強調)
・ 森鴎外『山椒大夫』
* 指示語(こそあど言葉)は何を指しているかを考えながら読む
・ 芥川龍之介『蜜柑』
* 馴染みのない言葉は丁寧に読む
・ 森鴎外『山椒大夫』
・・・など
☆ Lesson5
同じ言葉の繰り返しの時の読み方をトレーニングしましょう
* 「同じ人が同じ言葉を繰り返す」違った表現で読んでみる
・ 新美南吉「手袋を買いに」
* 「同じ人が同じ言葉を繰り返す」あえて同じ表現で読んでみる
・ 太宰治『走れメロス』
* 「違う人が同じ言葉を言い返す」
・ 芥川龍之介『羅生門』
・・・など
☆ Lesson6
「会話」を朗読するトレーニングをしましょう
* 相手の言葉を受け取る
・ 竹久夢二「大きな手」
* 受け取った言葉について考える
・ 夏目漱石『草枕』
* 言葉を投げ返す
・ 与謝野晶子「月夜」
・・・など
☆ Lesson7
独白・心の中の声を朗読するトレーニングをしましょう
* 人物の年齢や性格、思い詰めているのか、
軽く考えているのかなどを考える
・ 太宰治『女性徒』
* 登場人物になりきるのか、
少し離れたところから自分を語るのか考える
・ 太宰治『人間失格』
* 動揺や葛藤まで表現できるようになる
・ 宮沢賢治『マリヴロンと少女』
・・・など
☆ Lesson8
情景を思い浮かべながら読みましょう
* 時代や場所を考える
・ 田丸雅智「おかえりのセリフ」
* 登場人物の関係を考える
・ 宮沢賢治『虔十公園林』
* クライマックスはどこかを考える
・ 夢野久作『ドグラ・マグラ』
・・・など
☆ Lesson9
距離を表現するトレーニングをしましょう
* 語り手の距離
・ 芥川龍之介『蜘蛛の糸』(冒頭)
* 登場人物と登場人物との距離
・ 小川未明 『赤い蝋燭と人魚』
* 心の距離
・ 夏目漱石『門』
・・・など
☆ Lesson10
手紙に込められている想いを想像しながら読みましょう
* どんな想いなのかを考える
・ 堀辰雄『美しい村』
* 誰に向けた手紙なのかを考える
・ 有島武郎『小さき者へ』
* 時には感情を入れて読む
・ 出久根達郎『漱石センセと私』
・・・など