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◆◇◆ 監修者からのコメント ◆◇◆
書道における臨書とはなんだろう。
今回、本の出版にあたって
改めて考えてみました。
古典に倣うことは書道の原点、
ただ字をうまく書けるようになる手法ではなく、
自分の書の幅をぐんと広げてくれる
確かな礎となるものです。
私は教室で生徒さんたちに
臨書の指導をしていますが、
同じ古典で学んでも、
ひとつも同じものはありません。
その人の持つ癖や特色が
意識していなくても出てくる、
その違いが個性の第一歩ではないかと思います。
古典と向き合って、
自分なりのスタイルを確立していくのが
本来の姿だと思います。
そこはとても遠く、
私もまだまだ道半ばです。
臨書を学ぶために空海を知り、
興味が広がって寺社仏閣が好きになり、
本を読んだり旅したりと
楽しみが広がっている人もたくさんいます。
古典にアプローチすることで
知識が増えたり気持ちが豊かになったり。
書道はそういう楽しみ方ができるのもいいところです。
古典には、字や書体、書かれた背景など、
魅力がたくさんあります。
本書を手に取られた方が、
少しでもそう感じてくださったら幸いです。
山本 翔麗
◆◇◆ 主な目次 ◆◇◆
☆第1章 臨書の基礎知識
* 臨書とは
* 臨書のルーツ
* 中国の書の発展
* 日本での書の発展
* 臨書の方法 形臨・意臨・背臨
・・・など
☆第2章 古典を見てみよう
* 古典の選び方
* 書体の展開
≪楷書の古典を見る・読む≫
* 九成宮醴泉銘
* 孔子廟堂碑
≪行書の古典を見る・読む≫
* 祭姪文稿
* 風信帖
≪草書の古典を見る・読む≫
* 十七帖
* 書譜
・・・など
☆第3章 実際に書いてみよう
≪楷書を書いてみよう≫
* 九成宮醴泉銘 九成
* 九成宮醴泉銘 醴泉
* 孔子廟堂碑 玄妙
* 孔子廟堂碑 神功
≪行書を書いてみよう≫
* 蘭亭序 蘭亭
* 蘭亭序 暎帯
* 祭姪文稿 真卿
* 祭姪文稿 亡姪
・・・など