『日光国立公園 那須平成の森フィールドガイド』は
「那須平成の森」を散策するときに役立つフィールドガイドです。
「那須平成の森」は、那須御用邸の一部だったところを
現在の上皇陛下が
「豊かで多様な自然環境を維持しつつ、
国民が自然に直接ふれあえる場として活用してはどうか」
とのお考えに基づき
2008年に宮内庁から環境省に所管換えとなり、
2011年「日光国立公園 那須平成の森」として開園した自然公園です。
本書の著者は「那須平成の森」で
開園当初から2023年3月までフィールドセンター長・インタープリターとして活躍してこられた
若林正浩氏・若林千賀子氏です。
「那須平成の森」を隅から隅まで知り尽くした、
そしてそこで行われているプログラムを作り上げてきた著者による本書は
「那須平成の森」を散策する上で欠かせない書籍となることと思います。
「那須平成の森」は1997年から2001年に
栃木県立博物館が行なった調査によって
哺乳類20種、鳥類70種、爬虫類9種、
両生類12種、維管束植物762種、菌類207種、昆虫類2906種が確認され、
現在はさらにその数を増やしています。
この自然豊かな「那須平成の森」には
開園時間内であれば誰でも自由に入れる「ふれあいの森」と
インタープリターによるガイドツアーでしか入ることができない「学びの森」があり
いくつかの散策路が設けられています。
特に「学びの森」には
昭和天皇をはじめ皇族方がご休憩される
清森亭と呼ばれるあずま屋があり、
両陛下がお座りになられる場所に座ることもでき人気です。
本書はこうした散策路の紹介をはじめ、
「那須平成の森」の活動を紹介、
さらに平成の森や自然に関するエピソードをコラムとして、
また平成の森で見られる動植物を
図鑑形式で紹介したものです。
「那須平成の森」を訪れる際には是非持って行きたい1冊ですし、
訪れることができなくても
上皇陛下の自然に対する思いを馳せ、
自然に対する興味を深めることができる1冊です。